コーチと複数の人で行なわれるグループコーチングもありますが、
ここではワンオンワン(1 on 1)と呼ばれる1対1の方法で説明します。
コーチングの対話では、役割が明確です。
コーチの役割は「聴き手」です。
クライアント(コーチングを受ける人)の役割は「話し手」です。
これが、ティーチングやコンサルティングと逆ですね。
クライアントが話したいことを受け止めながら聴いていきます。
「何についてコーチングを受けたいのですか?」
「解決したいことは何ですか?」
「この時間、どう使いたいですか?」
「最後に何がハッキリしたらいいですか?」
冒頭でこんな質問をして、話すきっかけをつくり、
一緒に過ごす時間の目的やゴールを明確にしていきます。
質問したら、相手は考えて答えてくれます。
その答について、認めるところがあれば
「それはよく気づきましたね」
「そんな考え方があるんですね、はじめて知りました」など
ことばでハッキリ認めていきます。
もっと内容を深く聞いた方がいい場合は、
「それを一番最近感じたのはいつですか?」
「そのことについてをもう少し詳しく教えてください」
といった質問をしていきます。
このコーチのことばを受けて、クライアントはさらに自分のことを話していきます。
この双方向の会話が約30分から1時間交わされていきます。
話を聞いてくれる人に、人は本当の話を熱心に話すものです。
聴く力は、コーチが最も磨くべきもの。
コーチの聴くスキルのレベルが高ければ、クライアントは自分自身との対話を深めていき、
自然と答を出していきます。
この聴き方を「アクティブリスニング」、日本語で「積極的傾聴」と言います。
コーチングスキルは100を超えると言われ、その8割以上が「聴く」ことに基づいたものです。
図のように、聴いたことに対して認め、聴いたことに対して質問していくのが
コーチングの対話です。
すべては「聴く」ことが土台。コーチングはプロの「聴き手」です。
経験と実績の高いコーチは、聴き取ったことをフィードバックするだけで
相手に気づきと変化のきっかけを与えます。