Vol.11 「きく」それぞれ

聞く 聴く 訊く
どれも「きく」と読みますが、意味はずいぶん違います。

①聞く
「人の話を聞く」はこの字。
話し手が話す内容を聞き取って理解する、ということです。
聞こえてくる内容、事柄を、受け入れるので
学校の授業内容や伝達事項、指示命令されたことなど、
そのままをきちんと受け止めて理解できることが重要ですね。

②聴く
①の「聞く」は事柄中心でしたが、「聴く」はぐっと深く聴き入ります。
話の内容だけでなく、その内容を話している人の心の状態や想いまで汲み取る聴き方です。
人は、話していることがすべてとは限らず、
うまくことばにできていないことや、ことばと合致していない本音や感情があります。
ことばの背景にその人ならではの世界観もあります。
それらは、表情や声の大小、震えや間の取り方などに現れることが多いです。
耳に入ってくることばだけでなく、そうしたことば以外の特徴までも聴き取って、
その相手そのものを聴き取る聴き方です。

③訊く
「たずねる」意味です。目的地までの道順を人にたずねることを「道を訊く」と言いますね。

他にも「利く」「効く」といったことばもあります。
「利く」は、「利き手」というように、使う、利用する、役に立つという意味。
「効く」は、「効果的」と同意語だと思えばいいです。

①の「聞く」は、普段からしていることで、特別なスキルがなくても「聞き落とし」さえしなければ十分です。
一方で②の「聴く」は、対人業務やセールスを担っている方は、磨けば磨くほど成果につながります。
自分の五感全体を使って、「相手の世界」をキャッチしていきます。
自分のものさしで聞いていると、相手を理解せずジャッジすることになりかねません。
自分と相手は違う人、というスタンスで相手の話す内容を超えて話し手そのものを聴く感じです。
結構難しいので、意識して鍛える必要があるかもしれません。
上手く聴けるようになれば、信頼関係を築くのが上手になり、仕事も人生も豊かさが増していくでしょう。
人生は人との関わりで大きく変化します。

コーチングでは、この聴き方をします。
コーチングスキルのほとんどが、「聴くスキル」が土台となっています。
コーチングは、人生の豊かさを築くスキルとも言えるでしょう。

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